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海藻観察@相模湾沿岸

三浦半島の相模湾沿岸数箇所で行われた海藻研究者・高橋昭善先生や海関係の方々との海藻観察・採取・同定の作業にご一緒させて頂きました(許可なく岩場に生えている海藻を採取することは密猟となるため、事前に高橋先生が調査目的の海藻採取の許可を得られた上で行いました)。


普段、陸から海を眺めているだけでは海中の様子はわからないし、夏にシュノーケリングで海に入ることはあっても海藻をマジマジと観察することはないため、潮が引いている時間に「海藻」に焦点を当てて岩場を歩いてみると、

「何これ、見たことない!」

「うわぁ、きれい!」

「は〜、美しい」

などなど、目の前の海の中に、こんなにも多様な種類の海藻があったと知ってびっくり。



と、びっくりするのは素人ゆえ。

このエリアの海藻観察を続けてウン10年の大ベテランの研究者のみなさんの目には、

「今年はあの海藻もない」

「数も減っている」

と、ずっとずっと豊かだった頃の海と比べて肩を落とされているのでした。


昭和の高度成長期に海沿いの国道134線が舗装され、1964年の東京オリンピックのために葉山にも江ノ島にも海を埋め立ててマリーナが造られ、その後は「おしゃれな湘南」「サーファーのメッカ」的なイメージをメディアも盛り上げて、別荘、ホテル、飲食店などが海沿いにどんどんできて、広い砂浜や松林は姿を消し、海中もどんどんさみしくなってしまったのですね、、、


髙橋先生の研究でも「海水温の上昇と海藻の減少には相関が見られる」との結果が出ており、今回の観察でも海藻を食べるウニや、上の柔らかい部分が食べられてなくなっているワカメも多数観察されました。


海水温と海藻についての研究はされているものの、陸域の開発による影響との研究はほとんどされていないため、

「海藻の減少は海水温の上昇によるもの」

とほぼ結論づけられていますが、何度かお越しいただいている海藻増殖学者の新井章吾さんは、

「陸域の開発により、陸域から海中への栄養塩や酸素の供給が減っていることも理由の1つだと思う」

とおっしゃっており、私がボランティアで行っている「水の環つなぎ:chotto」の活動は、

・陸域で雨水浸透の促進

・川や海への泥の流入を減少させる

・水や空気の自然の流れを少しでも取り戻す

などの手入れ作業を陸域で行うことによって、本来の陸と海のつながりを取り戻し、海中までも含めた流域一帯の自然環境の回復・再生を目指しています。


私は研究者でも学者でもないので、種類の同定もできないし学術的なことはわからないですが、1つ1つの海藻、貝、魚など、それぞれの美しさに感動するばかりで、この感動が、

「これ以上、これらの生き物や海藻たちを減らしたくない」

「できれば一度姿を消してしまったものも、戻ってくるようにしたい」

というモチベーションになります。


「わ〜、湘南の海、きれ〜✨✨」

と葉山女子旅きっぷとかで来られる皆さんにも、ぜひ海面だけ見て満足されるのではなく、海の中の世界にも想いを馳せて頂けたらと思います🐚🐠🦀





天神島の岩礁は背後がコンクリ護岸ではなく、保護区として「陸〜海浜植物〜磯〜海中」の連続性が保たれていて、この場にいると癒される


採取した海藻の同定作業。各エリアで数十種類を確認。






















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